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ゆかりと主人公。
常に前を見ている。その眼差しが後ろを向くことはない。
辛いことがあってもそんな顔一つ見せない。
困難に直面しても動揺せずにこなしてみせる。
一人で歩いていける力を持っている。その強い力が羨ましい。
「信じ続ければいい。今まで何の根拠もない状態でも信じることができたんだから、今更それが覆るわけでもない」
きっぱりと言い切ったその姿はまぶしすぎた。
「信じ続けたことは、無駄じゃなかった」
ゆかりは彼の目を見て告げた。
「教えてくれてありがとう」
彼の言葉が、ゆかりを救ってくれたと思うから。
素直な気持ちを伝えると、彼はわずかに困ったような顔を見せた。
「そうか。よかった」
「何でそんな顔するのよ。貴方のおかげだって言ってるの」
「そんな意味で言ったんじゃなかったから」
「え?」
「辛いのなら考えるのをやめればいい。答えが出ないのなら考えても仕方がない。たとえ誤りがあったとしても、信じていれば苦しくない」
彼は淡々と言葉を並べた。
「嫌なことなら、忘れてしまえばいい」
「……」
「岳羽は、強いな。羨ましい」
きっとそれは、自惚れのつもりはないけど、彼の本心からの言葉だったんじゃないかって思ったら、
彼の強さが、彼の弱いところから来るものだと知ってしまった私は、
一人で立っている彼の後姿が、急に寂しげに見えた。
―――――
思考停止で逃げるの図。強いのは弱いから。
最近のマイブームは「矛盾した二つの同時存在」のようで。
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