見切り発車出発進行見切り発車出発進行
とりあえず勢いだけで作った二次創作サイトとブログはのそのそ継続中。版権元とは一切関係ないです。
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序章だけあげて終わっている Memento mori を何とかしたいので、少しずつちみちみあげていこうかと計画。断片です。こうでもしないと奮い立たない自分。
Memento mori 11/4
日にちから微妙に察してください(ぇ
彼がいなくなった後です。主人公の名前は「藤草素直」です。
Memento mori 11/4
日にちから微妙に察してください(ぇ
彼がいなくなった後です。主人公の名前は「藤草素直」です。
彼が遠くに行った瞬間、周りの空気が一変した(ように感じた)。
まるでどこかの異世界に迷い込んだような、宇宙の深淵に一人投げ出されたような、そんな気さえする。
孤独……とは少し違う。確かにどこかにぽっかりと開いた穴があるのは自覚できたが、それ以上に感じたのは地面の近さ、感触の確かさ。不確かでぼんやりとしていた視界が急に晴れ、ぐっと近くにものがある感覚。
一歩を踏み出したとき、地面の硬さに驚いた。
朝の静けさの中から、たくさんの音が聞こえることに気が付いた。
何が起こったか(まだ)理解できない(理解したとしてもそれはきっとずっとずっと後の話だ)状態で、ただファルロスが何処かへと行ってしまったという事実と自らの身に起こっている(身体そのものに変化はない。あるとすればそれは感覚の)確実な変化だけが素直に分かることだ。
昨夜のことで疲労が残っているはずの体だが、どこか目が冴えて、いや頭が冴えて仕方がない。目に入るもの、耳に聞こえるもの、肌に感じるもののすべてが情報を伝えてくる。目まぐるしいほどの量に混乱しながらも頭はきちんと動いている。その状態に理性は落ち着いているのに、感性がうろたえている。
歩を進め、ベッドを離れて窓のカーテンを、開けた。
かったりーなあ、とぶつくさ呟きながらも夜には行われるはずの祝宴を思い浮かべ、順平は体を起こした。昨日の疲れは抜けないが、それ以上に充実感が体を支配している。いつもからは考えられないほど早く起きることができたのも奇跡というよりは必然だろう。窓の外を見れば朝日がまだ白んでいる。
もう一度寝なおすことも考えたが目が冴えている。簡単に身支度を整えて順平は部屋を出た。ドアを開け、閉めようとしたとき、それは視界に入った。
「何してんだお前?」
声をかけるのが一瞬ためらわれたが、しかしすぐに口に出した。
素直は軽く羽織った寝巻き姿のまま自分の部屋のドアに背を預けて崩れ落ちていた。周りをさえぎるように頭を抱え、身を縮こまらせている。
順平の声にびくり、と大きく体を震わせた。その反応に逆に順平が足を半歩下げる。ゆっくりと素直は顔を上げて、声がしたほうを向いた。しかしその目は固く閉じられたままだ。
「……順平」
「お前……何してんの、そんなカッコで」
「……ぶ、し……」
「はぁ?」
「眩しいんだ……目が、痛い」
「……何いっちゃってんの、お前」
「順平、そんな声、だった?」
「はぃ?」
順平の訝しげな声には答えずに、素直は俯いた。
「寒い」
肩を抱くように体を丸める。
―――怖い、よ。
―――――
闇たる混沌の死という羊水の中から抜け出た彼には世界は刺激物であり眩しすぎる……という話(の前半)、のつもり……。
最初の方をいつもと書き方を(多少ですが)意識して変えてみました。何事も挑戦ですね(聞こえはいいけど単に無謀なだけ
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