見切り発車出発進行見切り発車出発進行
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10日の続きです。
でも中途半端なところで切れます(何
オリジナルストーリー(過去話)に突入しているので注意(まあ前回の話も充分オリジナル要素が強かったけれど)
でも中途半端なところで切れます(何
オリジナルストーリー(過去話)に突入しているので注意(まあ前回の話も充分オリジナル要素が強かったけれど)
少年が覚えている限りで最初の記憶は、薄暗くてぼんやりと仄暗い緑色の空気が充満する世界だ。
後に葛葉に拾われ知識を学ぶことで知ることだが、それは異界の綻びだった。俗に言う「神隠し」――少年はそれを日常的に体験していた。
特に何かをしていたわけではない。それは感受性の問題であったのかもしれないし、適正の問題だったのかもしれない。または悪魔を惹きつける何かが彼にはあったのだろうか。とにかく、少年は異界との接触が頻繁に起こり、そのたびに神隠しと呼ばれる状態を体験していた。それは成長した今でもたびたび起こる事象だが、しかし現在では異界の感知を行った上でデビルサマナーとしての責務を果たすために自ら引き入れているために同一のことと考えるのは間違いである。
常人に視えぬものを垣間見、触れるところまで可能な少年の言動は当然といえば当然に周囲の目からは奇異に映ったことだろう。「神隠し」を何度も経験していたこともあるかもしれない。少年は気が付いたときにはすでに家などなく、街の片隅に居場所を転々としていた。もしやするとその力から家族に捨てられたのかも知れぬし、その悪魔を惹きつける力ゆえに家族を亡くしたのかも知れない。だがそれはもう今となっては詮無きことだ。きっとその答えは永遠に出ることはないだろう。
街の中をふらつき一晩の屋根を探しその日暮らしの生活をしている少年に、優しい声をかける者も少なからずいた。笑顔で迎え入れてくれる人も確かに存在した。しかしその人たちの顔などはもう思い出すことができない。その人たちが少年の名を呼んでくれることがあった。しかし、少年は自分の名ももう思い出すことはできない。優しい声でかけられた言葉も、音のない映像となってしか少年の記憶に残っていない。
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